駐車場を売却するとき、相場より高く売るコツとは

駐車場として利用していた土地を売却するときには、ちょっとしたコツで高値で売る方法があります。
駐車場は通常の不動産売買とは異なり若干特殊だといわれていますが、土地は土地。その土地をフルに活用しながら、より高く売れるよう心がけましょう。

◆駐車場を高値で売る3つのコツ

焦らない
用途を限定しない
査定は複数の不動産会社に依頼する

大まかに分けるとこんな感じです。心構えとちょっとした知識が結果的に大きな差になります。
これらに注意しながら、駐車場という特殊な土地を売却していきましょう。

コツ① 焦らず余裕を持って売る

駐車場を売却する際、通常の家などを売却するのとは違い、さらに多めの時間を見積もっておくことが必要となります。というのも、既に駐車場を利用している人がいる場合は、次の人が駐車場として運営したいのであれば立ち退いてもらう必要があるためです。(※立ち退き料については後述します)その際に利用してもらっていた顧客の方とトラブルにならないよう、顧客の方が次に利用する駐車場を見つける時間などが必要になります。
もし速やかに立ち退いてくれなかったときはトラブルに発展する可能性もあります。一般的には立ち退いてもらう1~2ヵ月前に解除通告をしなければならないことが多いですが、契約を解消する際にトラブルにならないよう改めて契約書を確認しておきましょう。

また、不動産選びにも時間がかかります。これは③にも通ずるものですが、仲介してもらう不動産会社はとても大切です。その土地に精通した業者を選ぶことはもちろん、経験豊富な仕事のできる不動産会社にお願い出来るかは時間をかけて行う価値があります。駐車場という土地は事業用地にあたります。事業用地の売却が得意な不動産会社に依頼しましょう。住宅を高く売ることと事業用地を高く売ることは全くの別物です。

コツ② 用途を限定せずに売る

駐車場として使っていたからといって、次も必ず駐車場として利用しなければならないわけではありません。

買主が違う用途して利用する場合でも、止める理由はありません。大切なことは「駐車場用地」として売り出すのではなく、購入希望者に用途を任せることです。用途を限定すると駐車場用地を探している人しかターゲットにできません。購入の幅は広げておきたいものです。

駐車場の他には、

・自宅
・賃貸マンション
・施設
・ビル・倉庫などの事業用地

など幅は無限です。

そうすることで、高値で売ることが見込めるでしょう。

駐車場としてアピールすることが大切な場面もありますが、(⇒これから不動産投資に代わるものを考えてみようと思う【コラム】
幅を狭めないように注意してください。

コツ③ 査定は複数の不動産会社に依頼する

最後に、最も決め手となるのは「不動産会社との相性」です。上記でも述べましたが、不動産会社といっても専門分野も違えば、経験も知識も違います。1社のみに託すのはリスキーすぎます。

不動産会社選びには、不動産一括査定サイトを利用し業者の比較を行いましょう。同じ不動産業界の会社でも、査定額に大きな開きがあるのがお分かりいただけると思います。査定自体は無料なので、情報を登録し複数の不動産会社を比較しましょう。場合によっては、査定額に数百万円の差が生まれるといわれています。

不動産会社の選び方は下記の内容を参考にしてみてください。

◆不動産会社の外さない選び方!

仲介する不動産会社については、当サイト(⇒不動産査定比較フィールド)でも多く扱ってきました。(⇒不動産仲介業者

その中でも、最も大事な部分が3つあります。

【合わせて読みたい】

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◇査定額が異なる

不動産一括査定サイトで調べるとすぐにわかると思いますが、不動産会社によって査定額が違います。これは同じ物件でも仕方のないこと。不動産会社によって売り方のノウハウが違い、得意分野も違います。それによって査定額に大きな違いが生まれるのです。

ただ高いだけが良いわけではなく、その後でしっかり見極めることが大切です。提案される額はあくまでも査定額、不動産会社が媒介契約を結んでほしくて額を大きく見積もっていることもあり得ます。ちゃんと、類似物件を調べたり人脈を使っているかなども考慮しながら、決めると良いでしょう。

◇得意分野はなに?

不動産屋は土地・マンション・一戸建て・建売・事業用地などなど得意不得意があります。それは不動産会社によって異なります。これまでどの分野を多く契約してきたか、どういったノウハウがあるかなどは接してみないとわかりません。不得意な分野であれば率直に「扱った事例が少ないです」という業者もいれば「やってみます!」と経験に反してやる気だけはある業者もいます…経験がない業者にお願いするのはかなりリスキーです。すべてのジャンルを網羅している業者はいませんから、仲介業者の得意分野を見極めるのは大切なことです。

◇担当者との相性は大切!

不動産会社は決まったものの、どうにも担当者とそりが合わないといったことはあります。その際に、契約を解除するか担当者を変えるといったことを言い出すのは気まずいですが、大事な物件をその人に託しているのですから、遠慮せず責任者に申し出ましょう。私も以前担当者とどうしても合わなくて、変えてもらったところすぐに流れが良くなった経験があります。土地の売却は、担当者がすべてといっても過言ではないほど、相性は大事です。

◆駐車場は事業用地、利益が出たら税金が発生する

通常の土地でも、駐車場などの事業用地でも、譲渡所得が発生した場合は利益に対して税金を払わなくてはなりません。(⇒不動産売却と関係する『確定申告』についてまとめてみた

住まいを売却すると税金の控除があり税金を少なくすることができますが、駐車場は事業用地として扱われるので、控除制度が思ったより少ないです。そのため、想像していたよりも税金を取られることも少なくありません。事前にかかる税金を計算しておき、備えておきましょう。

 売却する土地 使える控除
平成21年に取得した土地を平成27年以降に売却 長期譲渡所得の1000万円特別控除
平成22年に取得した土地を平成28年以降に売却
公共事業などのために土地建物を売却 5,000万円の特別控除の特例
特定土地区画整理事業などのために土地を売却 2,000万円の特別控除の特例
特定住宅地造成事業などのために土地を売却 1,500万円の特別控除の特例

上記の控除を受けるには、確定申告を行わなければなりません。もちろん、確定申告で控除を受けるということは売却によって利益が出たことを意味します。利益が発生しなければ、確定申告を行う必要はありません。

こちらを参考にしながら、(⇒不動産で所得があったときの確定申告、得をする経費12選

(購入したときの金額)-(売却価格+経費)

で利益があるかどうか計算してください。

◆立ち退き料が発生した場合、支払わなければならないの?

結論からいうと、立ち退き料が発生した場合でも立ち退き料は支払わなくて良いです。売却によって、土地の購入者が駐車場として利用せず、別の用地として購入する場合、それまで契約していた人が立ち退きになってしまいます。駐車場の契約自体がホテルなどと同じ扱いなので、契約書で決めている契約解消に関する告知期間にしっかり伝えていれば、問題はありません。

ただし、それは立ち退き料の支払いを約束していない場合に限ります。貸す側がトラブルを避けたい一心で立ち退き料を払うと約束してしまう場合があります。その場合は、支払い義務が生じてしまいます。通常は支払わなくて良いものなので、簡単に約束してしまわないようにしてください。それこそトラブルの原因になってしまいます。

◆まとめ|駐車場の売却はちょっとだけ特殊

いかがでしたか?

通常の不動産や土地の売却と基本的に変わらないですが、節々に少しだけ特殊な面が見え隠れしています。売却方法や業者選びは慎重に行い、税金対策や立ち退き問題など準備しておけるところをピックアップしておくとさらに良いと思います。

【駐車場を高値で売る3つのコツ】

・焦らない
・用途を限定しない
・査定は複数の不動産会社に依頼する

【不動産会社の外さない選び方!】

・査定額が異なる
・得意分野はなに?
・担当者との相性は大切!

【駐車場は事業用地、利益が出たら税金が発生する】

・税金対策を知っておこう
・駐車場は住まいと比べて控除が少ない

【立ち退きが発生した場合】

・立ち退き料は支払わなくて良い
・契約した告知期間にしっかり告知すること(通常1~2ヵ月前)
・立ち退き料の支払いを勝手に約束すると、支払わなくてはならなくなる場合も…

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