アパートを売却する理由やタイミングは、基本的には2つではないでしょうか。
・今が高く売れるだろうと判断したから
・今の損失をなくすため
つまり、アパートを売るということは利益を出すためか損しないための決断なのです。
この売却理由によって、売り方にも違いが出てきます。
この記事では、アパートを売る理由によるオススメの売却方法や注意点などを紹介していきます。
◆アパートの売り時①今が高く売れるだろうと判断した
◇アパートの売り時はオリンピックまで説
不動産業界は、リーマンショック前の2007年とアベノミクスの影響を受けた2013年の2度ミニバブルになりました。そしてその後、リーマンショックと東日本大震災によって不動産相場は一気に下がりました。それが最近では2020年の東京オリンピックによって高騰しています。
特に首都圏での高騰が顕著にみられ、都心ではバブル期の地価を抜いたところもあるほど。
しかし、上がったものは下がるときがくるのが経済の法則…
オリンピック後は暴落すると考えられていて、アパートの売り時は2020年までだと考えている人が多いのです。
・2020年東京オリンピックの影響は?不動産はババ抜き化していた【コラム】
・家を売るなら2018年より前、家を買うなら2022年以降が良い理由
◇2019年10月に消費税が増税!その前を目途に売ろう
2019年10月より、消費税が8%から10%に増税することが決定しました。
アパート賃貸の収益が1000万円を超える場合は、売るときに消費税がかかります。ですので、消費税が8%の間に売るに越したことはありません。
しかし、2019年10月の増税までに売る人は多いと考えられるため、競合が強いと売れ残ってしまう可能性があります。
「増税前に売るぞ!」と意気込むのではなく、1年後の課税分を払ってでもあえて増税後に売るのも一つの方法です。
2018年から2020年にかけては、消費税増税や東京オリンピックなど慌ただしく過ぎていくことが予想されますので、どう過ごしていくか考えなければなりませんよ。
◆アパートの売り時②今の損失をなくすため
◇築年数が古いアパートは損切で売るのがオススメ
売り時の一つの目安として、築年数が関係してきます。築年数の古い不動産はリスクが高まります。それを機に売って損切するという方法もあります。
築年数が経過すると、維持費や管理費が高額になっていくため、ポートフォリオ見直しのためにも売ってしまうのも手でしょう。
ただ、賃貸収益が上げられている間は売らずに粘ってみるのも手です。そういった感覚は投資家の経験や勘にもよるので、戦略を練っておくと良いでしょう。
⇒マンション築10年から築40年の築年数毎に高値査定額にするコツ
◇売る理由は「損切のため」正直に言っていいの?
損切で売ることを買主に正直にいっていいものなのか悩む人は多いです。
「これ以上持っているとリスクになりそうなので売ることにしました」と言ったら買主が離れていってしまいそうに思いますよね?
実は、不動産を売る理由として、言わなくて良いことと言わなくてはならないことの2種類あります。
言わなくてはならない理由は、アパートの劣化や水漏れ・シロアリ被害などの物理的欠陥、殺人事件が起きた、人が自殺した、近くに暴力団事務所があるなど心理的欠陥です。
欠陥は「瑕疵」といい、「瑕疵担保責任」として告知義務があります。「新たに住む人や所有する人にとって安定した生活や運用を阻害する項目」は必ず告知しなくてはなりません。
⇒「心理的瑕疵あり」は事故物件などが関係している!売却時の告知義務について
一方、物件を売る理由の一因となる離婚や借金など、売主の個人的な背景などは告知する必要はありません。
まずは瑕疵担保責任の基準を知っておきましょう。その上で、どういった意味の「損」なのか、もう一度よく考え言うべきか言わないべきか決めましょう。
【番外編】満室のアパートなのに売り出されている驚きの理由とは!?
売り出し物件の中に、満室のアパートが出ているのを見たことがありませんか?こういったケースは多くあります。「なぜ満室なのに売る必要があるんだろう?」と思うかもしれませんが、ここには裏事情がありました。
前提として、アパートを売るのであれば住人は立ち退かせて空室にした方が良いです。しかし、急に立ち退き勧告をしても正当な事由がなれけば立ち退いてくれません。そうなると、そのままオーナーチェンジするしかありません。
オーナーチェンジにするのであれば、まばらに住んでいるよりも満室の方が高い収益が見込めるため売れやすくなります。
満室を目的としたアパートは入居者を募るため敷金・礼金なしで無料にしたり、入居者に商品券をプレゼントするキャンペーンなどを打って積極的に活動します。
つまり、満室で売られているアパートは最初から満室なのではなく、損切で売るために直前に満室にしたケースも多いのです。
逆をいえば、そういった方法で満室に見せて、早期売却を目指すのも一つの戦略として使えます。