不動産を売却する際、責任問題が付きまといます。そしてトラブルのもとになる恐れがあります。
あらかじめ単語の意味を理解しておくことで、未然に防げるトラブルもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
◆売主にとっても買主にとっても大切な用語4つ
① 瑕疵担保責任とは
物件を売買するとき、建物に欠陥があったら誰が責任を取るでしょう?それは、ほとんど売主が取らなくてはなりません。というよりも、売主は報告の義務があります。例えば壁に穴が開いている報告をしていたら、そのための修繕をした際にかかる費用は買主です。そういったことも含めて、売主は始めから言う義務があるのです。知っていて報告を怠ったら費用を請求されてしまいます。しかし、見えない欠陥があった場合はどうなるか?この場合は雨漏りやシロアリなどです。見た目では判断できませんが、とても重要な問題です。住居用として考えていたら、その間住むことが出来なくなってしまう可能性も出てきます。
そんなときに登場するのが「瑕疵担保責任」です。承諾を得ていない欠陥や、見えない欠陥が生じた場合、売主は修繕をしなくてはならないというものです。
もちろん、この義務が一生続くわけではありません。売主が個人であれば2~3ヵ月、長くても半年が妥当な期間です。
しかし、売主が不動産業者やリフォーム会社だった場合は2年間は瑕疵担保責任の義務に効力があります。
買主を守るための法律があると覚えておきましょう。売主にとっても知っておくべき大切な用語の一つです。
② 危険負担とは
危険負担とは、誰に責任があるかわからない状況の際に用いられます。物件の引き渡しの際に、売主にも買主にも責任がない宙ぶらりんな「空白期間」が生じます。よって、どちらにも責任はないように見えても、引き渡せる状態でなくなってしまった際に、状態を戻して引き渡さなければならない売主の責任だと考えてください。
例えば、無事契約も終わり残すところあと「引き渡し」のみの状態であったとします。しかし、その直前で地震や洪水、台風などの自然災害で元の状態ではなくなってしまったとします。そうするともちろん引き渡しは出来ません。この場合の売買契約はどうなるのでしょうか?
売主は、「契約が終わったから知ーらない」ではなく、しっかり元の状態に修繕してから引き渡、になるためさなくてはなりません。これが「危険負担」です。
売買契約はどうしても引き渡しまでに時差が生じ、そのタイムラグを売主が負担しなければなりません。「契約⇒支払い⇒引き渡し」の流れになるため、引き渡すまでは売主に責任がありますよーという取り決めです。もちろん、無事に引き渡すことが出来ればこの取り決めはなくなります。
買主があまりにも不利な状況になることを防ぐために設けられた制度です。買主にとっては、これも安心材料の一つです。
③ 物件状況確認書(説明書)とは
上記で紹介した「瑕疵担保責任」にかかわる建物や土地の状況・状態を知るための書類です。
瑕疵担保責任がある例はシロアリや雨漏りなどだとして、それらは改善されたのかそのままなのかなど、状態を引き継ぐためにこの書類があります。
物件の土地や建物の状態を知るものなので、細部まで読み取れなければ意味がありません。
この書類から様々なことを知ることができます。土地の基盤はどうなっているかが記載されている場合もあります。
売主は知っている情報を開示しなくてはなりません。
④ 付帯設備一覧表とは
建物に備え付けてあるものが主に記載されています。照明器具、カーテンレール、洗面台、洗濯機、エアコン、お風呂、トイレ、備え付けの食器棚・・・など。
建物内だけでなく、庭石、門柱、植木、植栽なども記載されているものもあります。
◆契約事項はしっかりチェック
紹介した単語や書類は、売主だけでなく買主にとっても大切です。なぜなら、売主が提示しているもので納得していないものがある場合、ザッと目を通すだけで見逃してしまうとそれに承諾したことになってしまい買主側に責任が移ってしまうかもしれないからです。
具体的にいうと、例えば物件が雨漏りしていて売主がそれを書面で提示していたとします。しかし、修繕は行っていないものだとすると、それを承諾した上で契約したことになってしまう可能性があります。
最悪の場合、雨漏りの修繕費を売主に請求できず自腹になってしまうかもしれません。
契約の際は買主側も契約書だけでなく上記の書類にしっかりと目を通し、売主に確認が必要な個所を明確にしておきましょう。
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