今は不景気?好景気?など大枠なことから、直接関係ないようなことでも間接的に関わってくる法律のことなど、「不動産売却」をする上で知っておきたいことの範囲は意外と広いです。
今回紹介するのは、「不動産売却において知っておくべき単語」と「不動産を取り巻く情報」に関することです。
知識はもちろん、その背景なども知っておいて損はありません。
ぜひ参考にしてみてください。
◆不動産売却に関する「知識」【6選】
・媒介契約
「媒介契約」には、3種類の契約方法があります。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
簡単にいうと、一般媒介契約は複数の仲介業者に依頼することができるもので、専任媒介契約は基本的に1社のみに依頼して査定や売却業務を進めてもらいます。
(⇒【売却の際の不動産選び】3つの媒介契約のメリット・デメリット)
自分に合った媒介契約を結ぶことが最重要で、また業者選びは慎重に行わなくてはなりません。やる気や経験不足な業者に依頼してしまったがために全く家が売れず、業者を変えたらすぐに売れたなんて事例もあります。仲介業者である不動産の担当者はとても大切なので、しっかり選ぶようにしてください。
・査定方法
不動産業者の行う査定方法は、「簡易(机上)査定」と「訪問査定」があります。簡易査定は、物件の場所や築年数などの書面でわかる情報から査定額を割り出す方法です。最も簡単な査定方法になります。一方、訪問査定は実際に訪問し図面と照らし合わせて査定額を捻出するので、数日以上かかってしまう場合もあります。不動産会社が行ってくれるのはこれらしかありません。
査定の専門家に依頼したいと思ったら、「不動産鑑定士」に査定をお願いするしかありません。ただし、不動産会社は無料で査定してくれますが、不動産鑑定士は確かな査定になるので数十万円の費用がかかってしまいます。より正確な査定がほしい場合は不動産鑑定士に依頼する他ないでしょう。
不動産会社は見積もりから無料で行ってくれるので、大体の相場を知りたい場合は一括査定サイトなどで簡易のものでも良いかもしれません。
・税金
不動産を売却した際に発生するとされているのは、主に下記の3つの税金です。
・印紙税
・登録免許税
・譲渡所得税
印紙税は売却した金額によって異なりますが、物件価格1,000万円から5,000万円以下だと2万円(1万円ほどが目安です。
登録免許税とは、抵当権の抹消を登記する場合に必要となる税金です。費用は1物件につき1000円で、戸建ての場合は土地と建物で分かれているので2物件という計算になり2000円です。ただし、司法書士に依頼する費用を合わせると数万円はかかってしまうと思っておいてください。
譲渡所得税は、売ったときに儲けが出た場合のみ発生します。
・重要事項説明書
不動産を売却する際は、必要書類がたくさんあります。不動産会社に任せておけば良いものと、自分で用意しなくてはならないものがあるので、把握しておきましょう。
①登記簿謄本
②売買契約書
③重要事項説明書
④測量図・境界確認書
⑤図面や仕様書
⑥固定資産税納税通知書
⑦マンション管理規約
⑧本人確認書類、住民票、印鑑登録証明書
その中でもかなり大事な「重要事項説明書」というものがあります。
これは不動産のすべてが詰まっている書類だと考えてください。基本情報から権利情報まで記載されているとても重要なものです。買主に対しても、これを使って説明していくので、記載漏れや伝え漏れのないようにしておかなくてはなりません。
(⇒不動産売却に必要な書類、一挙公開!重要事項説明書とは?)
・瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
瑕疵(かし)とは欠陥のことを意味しています。不動産の売買において、もし物件に欠陥が見つかった場合は売主が責任を持って対処しなくてはなりません。ただし、それは重要事項説明書に記載がなく意図的に隠していた場合です。例えば雨漏りしているのを知っていて伝えていなかった場合は、修理の責任は売主側にあります。これを、「瑕疵担保責任」と言います。
・確定申告
下記のような場合には確定申告が必要になのか、必要ではないのかを3パターンにしてみました。
①譲渡所得がプラス:確定申告が必要
②①の場合でかつ「3,000万円の特別控除」を利用する:確定申告が必要
③譲渡所得がマイナス:確定申告は任意
主に、譲渡(=売却)による所得が発生していて、控除を利用する場合などに確定申告が必要になります。
◆不動産売却に関する「背景」【3選】
不動産は多くの事が関与するので、日本の経済状況なども把握しておく必要があります。生活しているだけではわからないこともありますので、特に注目していただきたい問題点を挙げておきます。「売却がいますぐが良い」と言われる理由は何か?そして、今後どのような動きになっていくのかを考えながら検討してください。
◇2020年問題
2022年の東京オリンピックの前に不動産バブルは崩壊するといわれています。その理由が海外の投資家が一斉に物件を売るだの、住宅ローン金利が上がって不動産が売れなくなるからだの、高齢化社会だからだの様々な意見が飛び交っています。
理由はたくさんありますが、特に注目しなければならないのは、2020年問題は景気が良くなっても起こる、ということです。地価が暴落すると景気が悪くなることを想像し、「東京オリンピックあるし景気上がるってことは不動産市場も安泰でしょう」と考える人が多くいますが、実際に住宅ローン金利の上昇は景気の良いときに起こりますから、どんな状態でも油断できません。
根本的な問題は色々なことが絡み合っていてわかりにくくなっていますが、一つ言えるのは「不動産市場の未来は暗い」ということです。
・家を売るなら2018年より前、家を買うなら2022年以降が良い理由
・売却、まだ迷ってる?不動産バブルが崩壊する4つの理由がいよいよ信憑性を増してきた
◇空き家問題
参照:統計局より
空き家率はなんと13.5%で過去最高になりました。
地方はどんどん空き家が増えていっており、過疎化が止まりません。東京にどんどん流れていき、地方の人口密度が高くなるばかりです。
空き家率が最も高い1位の山梨県は、関東甲信越地方にも関わらず空き家問題が深刻化しています。
これから、空き家をどのように活用していくか、どのように人が住む街にするかがそれぞれ自治体の課題となりそうです。空き家バンクなどを活用して、街に活気を取り戻してほしいですね。
◇高齢化&少子化問題
2020年問題にも通じるものがありますが、日本は高齢化&少子化社会が問題になっています。これは経済的にも大ダメージを与え続けており、不動産が売れなくなる原因の一つです。人口が少なくなり次の世代がいないとなると、日本全体の経済が回らなくなる恐れがあります。これは不動産市場だけでなく全体を通していえることですが、不動産にもその波は確実に来るでしょう。
◆まとめ|不動産の知識と日本の経済情報をダブルで活用しよう
いかがでしたか?
不動産売却に関する知識もある程度身につけておくとより安心です。また、日本の経済なども関係してくるので合わせて頭に入れておくと可能性は無限大になります。
情報収集をするとともに、正しい情報の見極めも大切です。
日本の情勢を見ながら、不動産に関する正しい知識を身につけていきましょう。
【まとめ】
◆不動産売却に関する「知識」【6選】
・媒介契約
・査定方法
・税金
・重要事項説明書
・瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
・確定申告
◆不動産売却に関する「背景」【3選】
◇2020年問題
◇空き家問題
◇高齢化&少子化問題