【プロ直伝】不動産を売るときの査定基準は?

今回はお手持ちの不動産を売却する際に、知っておくと役立つ方法をみなさんにご紹介させて頂きたいと思います。

不動産売却において、一体いくらで売れるのかを査定してもらう時に、基準とはあるのでしょうか?

もっと高く売る為に、私たちが事前にやれるべきことはあるのでしょうか?

そのあたりのポイントを掴んでいきたいと思います。

■どのような基準で査定されているのか?

まずみなさんに知って頂きたいのが、不動産業者の出す査定価格がどれだけ正確なものであるかです。

やはり業界のプロが言う数字ですから、間違いないだろうと思ってしまいますが、実はそんなこともないのです。

競売物件の査定は不動産査定のプロである不動産鑑定士の仕事だからです。

不動産営業マンの仕事ではありません。

そして、不動産査定のプロである不動産鑑定士ですら、やはり不動産の査定は難しいのです。

その理由をご説明させて頂きます。

・査定方法は競売物件を元に算出する

競売はプロの不動産鑑定士が売却基準価格を決定しているのです。

いわゆる入札希望者はその価格の80%の価格を下限として入札をします。

この時の売却基準は、だいたい市場価格の7割程の価格です。

よって、売却基準価格から0.7という数字を割ることにより、その査定額が概ね適当かどうかを判断することが出来るのです。

実際の競売状況はどうなのかと言うと、不動産鑑定士が査定した価格の50%以上も高い金額で落札された事例が山の様にあります。

これは事実です。

そして、売却基準価格の2倍以上で落札される事例も、だいたい1割程は存在します。

と言うことは、やはりプロの不動産鑑定士ですら売却価格を査定することは難しく、厳密に査定することは困難なのです。

つまり、不動産の価値は買い手が見つかり契約が成立して初めて成り立つものなので、同じ不動産でも買い手により、その価値は変わるのです。

実例で同じ不動産を片や500万円で買う人もいれば、1000万円で買う人も存在するのです。

この事実を知ることにより、不動産営業マンとも対等に会話をすることが出来るでしょう。

なぜなら、不動産営業マンの言っている査定価格は「絶対ではない」とすでにあなたは知っているからです。

■売却予定物件が居住用の物件の場合

あなたの売却したい物件が、いわゆるビルや商業施設などではなく、一般的な居住用の物件であった場合の査定基準をご紹介させて頂きます。

・建物のケース

まずはお手持ちの物件の査定価格を計算していきましょう。

建物の場合は管理状況に凄く影響されます。

その状況により、査定価格は大きく左右されるので、なかなか正確な査定が難しいです。

なので、あくまでおおよそのイメージだけでも掴んで頂ければと思います。

・種類の調査

まず売却予定物件の構造や種類の把握をして下さい。

木造住宅なのか、軽量鉄骨・重量鉄骨・RC住宅なのかを知る必要があります。

どれだか調べられない場合は木造住宅だと仮定して下さい。

・築年数、面積の調査

築年数は登記簿などから確認することが出来ます。

建物の建築確認をすれば面積も分かるでしょう。

築年数に関しての注意点ですが、木造の場合は22年を過ぎると建物の価値がほとんどゼロです。

・新築価格の調査

建築面積に構造別の数字を掛けます。

その際に使用する数字は、木造12万・軽量鉄骨14万・重量鉄骨17万・RC24万で計算して下さい。

上記数字は1㎡の建築費になります。

例えば、軽量鉄骨で100㎡の物件は1400万円ということになります。

・減価率の算出

ここが重要です。

築年数に構造別の数字を掛けて、新築から見た減価の割合を算出します。

その数字は、木造4.5%・軽量鉄骨3.7%・重量鉄骨2.9%・RC2.1%です。

例えば築年数15年の軽量鉄骨3.7%の場合は、55.5%です。

1400万円×(100-55.5)=623万円がこの建物の価格になります。

・土地のケース

インターネットを活用して査定価格を算出するのが、一番効率が良いでしょう。

ここで用いるのが、国土交通省が作成している土地総合情報システムの活用です。

これは土地の情報をデータベース化しており、登記を軸とした売却情報が分かるのです。

 

・路線価からの算出

あなたの住んでいる土地周辺にて、今まで取引事例が少ない、またはない場合はこちらを使用して下さい。

余程の遠隔地でない限りは、この方法でもおおよその価格を知ることは出来ます。

路線価は道路に設定されている価格で、その道路に接している土地の1㎡あたりの価格を示しています。

例えば、路線価15万円の道路に接している100㎡土地であれば、1500万円となるのです。

この際に重要なのは、路線価は市場価格の7割とされているので、0.7で割る必要があります。

ということは2143万円となります。

 

・査定してみよう!

ここまで計算出来たら、後は建物の価格と土地の価格を足すだけです。

今回の場合は、建物価格623万円と土地価格2143万円を足し、2766万円となります。

不動産査定その他まとめ

不動産の売却に役立つ【路線価・公示価格・実勢価格】をチェックする
不動産売却の査定額に納得がいかないときに知っておきたい5つのこと
不動産売却の際に気になること【総まとめ】

■不動産売却の査定まとめ

みなさんいかがでしたでしょうか?

不動産の価値とは買い手次第だということが、お分かり頂けたかと思います。

もちろん市場価格や競売価格を踏まえた上で、自分の売却予定物件の平均的な売却額も押さえておく必要があります。

情報を知っているのと知らないのとでは、交渉の際にも対応が変わってきますので、しっかりと学んでいきましょう。

しかしあなたはもう様々な知識を得ることができました。不動産の査定において正解なんてないのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする