マンションによっては、リフォームが必要なくらい劣化しているマンションもあります。ただ、リフォームしてから売却するにはリフォーム費用がかかってくるので、リフォームするかしないかは迷うのものです。今回は、そんなリフォームが必要なマンションの売却方法について詳しく解説します。
1.リフォームが必要なマンションとは?
リフォームが必要なマンションを売却するときには、そもそもリフォームが必要かどうかの判断をしなければいけません。一般的にリフォームするかどうかの判断は、築年数をベースにした室内の劣化具合によりますが、それ以外に「ペット・子供」「周辺環境」の2つの要素が大きいです。
1-1ペット・子供
まずは、ペットを飼っていたり小さなお子さんが住んでいたりすると、室内は劣化しやすいです。子供がいる場合には床やクロスに傷が付きやすくなりますし、走り回る影響で床に穴が空いている場合もあります。また、ペットの場合には、床やクロスの傷はもちろん、ほかにも「臭い」の問題もあります。
ペットの臭いは布製品などに付きやすく、室内でいうと「クロス」にも付きやすいです。そのため、クロスの張替えなどのリフォームをした方が良い場合もありますが、その点は後述する費用相場と照らし合わせて判断しましょう。
1-2周辺環境
前項のように、室内が劣化しているときは、費用と照らし合わせてリフォームするかを判断します。費用以外の要素でいうと、周辺環境という要素も加味してリフォームするかどうかを考えましょう。
要は、自分の物件を検討者が見学したとき、劣化している点がどのくらいデメリットになるかを見極めるということです。具体的には、以下のような状況のときはリフォームした方が良いと言えます。
・新築物件が分譲されている
・競合しそうな物件の築年数が浅い
・競合しそうな物件がキレイな状態である
周辺環境が上記3点のような状況だと、建物が少し劣化しているだけで検討者の評価は落ちてしまいます。やはり、新築物件やキレイな中古物件を見学した後に「比較」されるからです。
一方、競合物件が築古であったり、劣化が激しい物件だったりするときには、わざわざお金をかけてリフォームする必要はありません。たとえ劣化が激しかったとしても、他物件とギャップを感じることが少ないため、大きなデメリットにはならないからです。
2.リフォーム費用相場
前項で言ったように、リフォームすると判断したときは、費用と比べる必要があります。リフォームしたのは良いモノの、そのリフォーム費用分だけ売却金額に上乗せできなければ、リフォーム費用がそのまま赤字になってしまうからです。
リフォーム費用はリフォーム会社やリフォーム箇所によって異なりますが、一般的な費用相場は以下の通りです。以下のクロス・フローリングの金額に関しては、6畳の部屋のリフォームを想定しています。
・クロス張替え:4~5万円
・フローリング張替え:10万円程度
・キッチンのリフォーム:数万円~100万円以上
・トイレのリフォーム:10~20万円程度
・浴室のリフォーム:50万円~70万円
クロスの張替えは比較的安価でできるので、部屋ごとに張替えを行うのは費用対効果が良いです。フローリングに関してはクロスより価格が上がりますので、目に見えてネックにならないのであればリフォームする必要はないでしょう。
水まわりのリフォームに関しては金額幅が大きいです。たとえば、キッチン設備を全て入れ替えるのであれば50万円~100万円以上かかりますが、ガスコンロ入れ替えだけであれば10万円前後でできます。
水まわりに関してはもちろんキレイであるに越したことはありませんが、よほど劣化がひどくない限りはリフォームしない方が良いでしょう。リフォーム金額が高いため、その金額を上乗せして売却できることは少ないからです。
3.リフォームせずに売却する方法
一方、リフォームが必要なマンションを、リフォームせずに売却する方法もあります。そのときのポイントとしては、リフォーム費用の見積もりを取っておくことです。なぜなら、売却時に検討者との交渉材料になるからです。
先ほどいったように「競合環境」などの外部環境によってはリフォームしなくても良いですが、それでも「室内の劣化」がネックになり検討取りやめになるケースはあります。そんなときに、リフォームの見積もりがあれば、検討者にその見積を提示することができます。
たとえば、「リフォーム費用の半分の金額を値引きする」などの交渉ができれば、リフォームを自分でするよりもお得な取引ができるのです。そのため、リフォームしてもしなくても、売却時にリフォームが必要と判断されれば見積もりは取っておきましょう。
4.まとめ
このように、リフォームが必要なマンションでも、リフォームするかどうかは自分で判断しなければいけません。まずは、費用対効果や周辺環境を考えて、リフォームする意味があるかを考えましょう。その上で、リスクが高かったら「見積もりだけ依頼しておき交渉材料につかう」という手段を取ると良いでしょう。
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