不動産売却のベストなタイミングは?

不動産はなるべく高く・早く売却したいものです。不動産の売却には、「不動産会社選び」などの要素も大切ですが、売却する「タイミング」も重要です。

今回は、不動産売却のベストなタイミングについて解説していきます。

1.売却時期について

不動産売却のベストなタイミングは、まずは以下の2点から考えましょう。

築年数
季節

この2つが、最も売却金額に反映しやすい要素になります。

というのも、不動産は新築を売却したとしても購入価格の20~30%ほど損するといわれているためです。「いつ売却しよう?」と悩んでいるのであれば、タイミングは大切です。

1-1築年数から見る売却時期

まず、築年数から見る売却時期の話です。結論から言うと、築年数は5年を区切って売却時期を考えるべきです。理由は、不動産の購入者は、築年数の指定を5年おきに区切るからです。

たとえば、築16年の場合には「築15年以内」という条件からは漏れますし、築26年の場合は「築25年以内」という条件から漏れます。条件から漏れるということは、検討の土台にすら上がらないということなので、集客数が減る要因になってしまいます。

1-2季節で見る売却時期

また、築年数よりは価格への影響は少ないですが、季節でも売却金額は異なってきます。不動産を購入するときには「現地確認」が必須になります。そのため、真夏や真冬など、外出には向かない季節の方が不動産売却には不利に働きます。

真夏であれば現地確認するときは大変で、特に土地の売却のときは大変です。土地の売却ということは一戸建て用地なので、そもそも駅から遠いことが多いです。また、建物内であれば空調がありますが、土地だけの場合には屋根すらありません。

そのため、もし調整できるのであれば、現地確認が苦にならない「春・秋」に不動産を売却した方が良いでしょう。

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2.税金でみると得なのはいつ?

つづいて、税金から見たときの不動産売却時期の話です。ここでいう税金とは、具体的には以下2つの税金、税制優遇のことを指します。

譲渡所得税
住宅ローン控除
課税特例

2-1譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産売却時の利益に対して課税される税金です。そもそも、居住用住宅の売却で利益がでることは少ないですし、3,000万円までなら控除される※1ことがほとんどです。そのため、売却益が出そうで、3,000万円の特別控除が適用できないときのみ「税金」については考えましょう。

譲渡所得税率※2は以下のように、不動産の保有期間によって異なります。

長期保有:所得税15%(復興特別所得税2.1%)、住民税5%

短期保有:所得税30%(復興特別所得税2.1%)、住民税9%

長期保有は、その年の1月1日時点で保有期間が5年を超えているときであり、5年未満の場合は短期保有になります。そのため、譲渡所得税がかかる場合には、保有期間5年が不動産売却タイミングの目安になります。

※1「3,000万円の特別控除

※2国税庁ホームページ 譲渡所得税

長期保有

短期保有

2-2住宅ローン控除

また、住宅ローンを組んで不動産を購入した場合には、住宅ローン控除※3を受けられる場合があります。住宅ローン控除とは、簡単にいうと「年末の借入残額の1%が税金から差し引かれる」ということです。

たとえば、年末の借入残高が1,800万円の場合は、1,800万円の1%である18万円が税金から差し引かれます。そのため、仮にサラリーマンだったとして源泉徴収により1年間で30万円の税金を支払っていたとします。その場合は、年末調整により18万円が還付されるということになります。

住宅ローン控除を受けている場合には、「期限は10年」となっているので、住宅ローンを組んで10年が経過していると控除が受けられません。そのため、この住宅ローン控除の期限が切れるタイミングも、不動産を売却するタイミングといえます。

※3国税庁ホームページ 住宅借入金等特別控除

2-3課税特例

不動産を売却し、利益が出たとしても、支払わなくてはならない税金をだいぶ減らすことが出来る特例があります。それが「課税特例」です。これが適用されるのは「保有している期間が10年以上である」という条件のもとです。つまり、長く住んでいるとお得になるのです。

課税特例があるのが10年以上なので、売却するタイミングも10年以上が目安です。売却を考えていて、10年以上経っているということであればそこが売り時かもしれません。家を売却して利益が出る採算があるのであればなおさらです。

また、覚えていただきたいポイントが家の種類によって資産価値が変わってくるという点です。法律的に、不動産の資産価値の評価方法は、木造住宅で22年、マンションで47年と決められています。つまり、築22年以上の木造住宅は建物としての価値がなくなっており、売却しても利益が出ないことが予想されます。

課税特例からみる築年数の幅は、築10~22年(マンションは築47年)がベストです。

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3.値下げのタイミングは?

不動産を売却していても、中々思うように売却できないこともあります。そのようなときには、不動産を値下げして対応しますが、その値下げをするタイミングにもコツがあります。具体的に、値下げをするタイミングは以下を参考にすると良いでしょう。

3ヵ月という期間
競合物件状況

まずは、3ヵ月という期間で一旦区切りましょう。なぜなら、仲介を担当している不動産会社は、3ヵ月を目安に売却活動を行っているからです。そのため、3ヵ月が経過した時点で売れなければ、「売却金額が高すぎる」という可能性が高いということです。

また、もう1つの要素としては、競合物件状況を注視するということです。不動産の売却は、いくら適正価格を付けていても、競合物件が安価な場合にはその価格に連動します。そのため、競合物件が安価な物件が多ければ、値下げせざるを得ないということです。

このように、不動産の値下げは、3ヵ月を一旦の目安として、後は競合物件状況を考えながら検討しましょう。

詳細はこちら⇒不動産が売れないときの値下げのタイミングとは

4.まとめ

不動産売却にベストなタイミングを探るときは、以下の点に気を付けましょう。

・築年数は5年区切りで、春・秋で売却すると良い

・住宅ローン控除が切れ、譲渡所得税が上がるタイミング

・木造住宅であれば築10年以上~22年(マンションであれば47年)までがベスト

・売却開始から3か月、競合物件状況により値下げのタイミングを考える

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