空き家を手にしたらどうしたらよい?6項目で徹底分析

現在、日本国内では空き家が増加しており、放置されるケースが非常に多くなっています。
結果、社会問題にもなってしまっている状況に・・・
では、実際に空き家を手にしたらどうするべきか?を考えつつ、売るための費用や、所有することで起こりうるリスクなどについて触れていきたいと思います。住んでいた家を離れる人も相続で築年数が古い住宅を手にした方も、どのように対処すればいいかわからないという人は多いですよね。
空き家について知識ゼロだった方を短時間で博識に!これを見ればすべてがわかることを目標に紹介していきます。
ざっくりいうと、「空き家をどうするか」をテーマに、行動の注意点なども紹介していきたいと思います。
空き家は不動産の中でも厄介でなかなか難しい判断を迫られてしまうこともあるため、まずは、空き家についての知識に触れてみましょう。
■目次■
■空き家の活用方法
■空き家を持っていることのリスク
■現状維持⇒巡回サービスを利用?利用料は年間数十万
■売却する⇒空き家を売るための基礎知識
■貸家⇒家を貸すには?
■リフォーム⇒見積もりを行うときの注意点

■空き家の活用方法

空き家の主な活用方法は主に黄色部分の3種類です。
・住む
・貸す
・売る
・解体
・処分
これらを中心にこれから紹介していきますが、その際の注意点もあるのでシチュエーション別にポイントを頭に入れておきましょう。
「貸す」のはいくつか種類があります。
リフォームして貸すか?賃貸として貸すか?
また、最近ではルームシェアも流行っています。家賃を抑えて自由に借りることが出来るのは利用者のメリットでしょう。
また、公共施設として使ってもらうのも一つの手です。

■持っているだけの状態は損するだけ…そのリスクとは?

では、空き家を売らずに所持し続けたらどうなるのか?
そのときのリスクは何があるのか?という点について触れていきたいと思います。
正直なところ、空き家を所持している場合、メリットはそうありません。
もし別荘代わりにするなどするのであれば、メリットはありますが…管理費など色々と必要となってくるため、対費用効果については疑問が残るところ。
そして、どうしても以下のようなリスクも出てきてしまうのです。
◇空き家の外装が風で飛んでしまい損害賠償へ…
空き家は人が住んでいないため、兎にも角にも、老朽化が進んでしまいます。
人の手入れがないと、本当に老朽化は早いのです。
結果、外壁などが強い風で飛んでいってしまい、他の民家を傷つけてしまったり、車にあたってしまったり…。
何よりも人にあたってしまった場合は、目も当てられない状況に。
このとき、損害賠償請求を受けてしまう可能性すらあるのです。
こういったリスクがあることも空き家を持つうえで理解をしておきたいところですね。
◇知らない間に犯罪者に利用されてしまう可能性…
もう1つ厄介なのが、犯罪者のアジト的な使われ方をされてしまうことです。
犯罪者というと大げさかもしれませんが…若者のたまり場になってしまったり、不法投棄に場所にされてしまったりと。
このように犯罪がらみで利用されてしまい、クレームが入るパターンも非常に厄介です。
人がいないことは、知って利用されてしまうため、本当にタチが悪いのです。
犯罪を未然に防ぐためにも、やはり空き家は何とかしておきたいところですよね。
こういった背景もあるため、国や自治体が動いて対応しようとしているわけです。

■現状維持⇒巡回サービスを利用?利用料は年間数十万

ということで、空き家のリスクを説明させていただきましたが、そのリスクをお金で解決することができます。
それが、巡回サービスです。
空き家を定期的に確認してくれるサービスで、何か問題があれば連絡をしてくれるわけですね。
可能であれば、自分自身で定期的に確認をしにいきたいところですが…。
僻地にある空き家だったり、今住んでいるところから遠いなどの理由で、定期的にチェックすることができない状況もあるかと。
そんなときに便利になるサービスではあります。
ただ、サービスというだけあり、やはりそこには「金銭」が発生するわけで、その金銭が意外と高いのです。
見出しに記載されていますが…その額年間で10万円程度
もちろん、サービス内容によって値段はピンキリのため、もっと額を抑えようと思えば抑えることができますが。
ともあれ、このようにそれなりの金額を支払って、上記で説明したリスクを回避するわけです。

■売却する⇒空き家を売るための基礎知識

◇家を売るときに気になること(他記事)

相場の調べ方
家を売る時の流れ『手順10段階』
売却にかかる税金まとめ
売却に必要な書類まとめ
不動産売却における媒介契約の種類まとめ
一括査定サイトのメリット・デメリット
不動産売却の際に気になること【総まとめ】

◇売り方
―中古住宅として売るとき
★「瑕疵」に注意

中古住宅として販売する場合、売却した建物に対していくつかの責任を持たなければいけません。
不動産取引上ではこれを「瑕疵」と言います。普段の生活をしているとほとんどが「購入する側」であることが多いため、意外と忘れがちなのですが、おうちを売る際は「販売する側」になるため、販売に対する責任を持たなければいけません。
一言でいうと、瑕疵とは、住宅における「欠陥」のことを言います。
なぜこのような制度があるのかと言うと、住んでいる方にとっては家がどのような状態にあるかは分かりますが、当然ながらこれから住もうとする方にとっては家がどのような状態かは分かりません。
ですので、家を売る場合は、家の欠陥に対して保証する義務がでてくるのです。
ただ、すべての欠陥を保証する必要はなく、事前に壊れている箇所を購入する方に説明することで、瑕疵の責任から免れることができます。つまり、購入する方に不具合がある箇所が伝えられていれば問題がないわけです。ただし、ここで注意が必要なのが、瑕疵というのは「販売する側」が「知らなかったこと」でも適用されることです。ですので、築古住宅を中古住宅として販売する場合は、家の状態を正しくチェックする必要があります。
今ではホームインスペクションと言った家の状態をチェックしてくれるサービスもありますので、一度ホームインスペクションを持たれた方に相談してみるのも一つでしょう。
また、ホームインスペクションには、瑕疵による保証請求を防ぐという意味だけではなく、ホームインスペクションによって家の状態が正しく保証されることによって、建物の価値をより高め、一般的な相場よりも高額で販売できる場合もあります。

より詳細へ⇒瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは?

―土地として売るとき(更地or建物はあるけど土地のみ)
★解体費用と税金に注意

現在所有している住宅が築古の場合、建物の価値は見込まずに土地として販売するのも一つです。
当然土地としての販売になるため、いくら建物が古かったとしても、中古住宅として販売する場合と違い、建物についての瑕疵担保責任を求められることはありません。
ただ、土地として販売する場合にもいくつか注意点があります。

まず、土地として販売しようとした場合の販売方法は2種類あります。それは、販売する前に更地にして売る方法と古家つきとして建物は残しながら土地として販売する方法です。
これだけ聞くと、後者の方がいいじゃないかと思われる方も多いかと思いますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

販売前に更地にするメリットは、売りやすいことです。
建物がないため、土地の状態が確認しやすく、見学に来られた方から見てもスッキリしていて印象が良いです。
デメリットは、土地を販売したお金が手元に入る前に解体費用の支払いが発生することと、税金面での問題があります。
建物がある場合における土地の固定資産税は本来の3分の1から4分の1になっていると言われています。
そのため、更地にすることによって今まで受けられていた固定資産税の優遇を受けられなくなり、販売が長期化する場合や、販売のタイミングが悪いと余分な固定資産税の支払いが発生する場合があります。
また、不動産の譲渡所得に関する税制の優遇も受けられなくなる場合があります。
こちらについては、解体してから1年以内に販売の契約をしていなければ適用できない税制優遇になります。
この不動産の譲渡所得の税制優遇についてはもう少し細かい条件はありますが、このように解体したら使えなくなる税制優遇はいくつかあります。
販売期間が長くかかることで発生するデメリットが多いため、早期で販売できる条件の揃っている土地や不動産の譲渡所得が発生する心配がない方などに向いています。

次に建物を残しながら土地として販売する場合についてです。
メリットとしては、固定資産税が大きくかからないことです。もちろん建物も固定資産税はかかりますが、土地として販売するくらいの築年数であれば、ほとんどかかっていない場合が多いでしょう。
そのため、土地と建物の固定資産税の両方を払ってもお得になる場合がほとんどです。
また、建物が残っているため、販売時に解体などを交渉材料に使うことなどもできます。
デメリットとしては、既存の建物がある分、見学した人が土地をしっかり見ることができないことです。
また、更地と比べるとどうしても家や物がある分、スッキリしたきれいなイメージを持ちづらい傾向にあります。
こちらは譲渡所得が発生する可能性がある場合や、解体費用などを先に支払いのが難しい方などに向いています。(⇒「譲渡損失の繰越控除」とは?住み替え時に知っておきたいお得な制度)

◇空き家を売るために必要な費用は?
空き家を手にしたとき、やはり考えることは「売るか?売らないか?」という判断。
そこで気になってくるのが、売る場合、どれくらいの諸費用が必要になってくるのか?という点ですよね。
ここで「ズバリ○○万円です!」と言えればよいのですが、正直なところ、言えないのが現状です。
理由は単純で、ケース・バイ・ケースだからです。
例えば「空き家のままで売るのか?」「空き家を更地にして売るのか?」「リフォームして売るのか?」で大きく変わってくるからです。
更地にするのも、土地の広さだったり、空き家の大きさ、空き家内にある捨てるものの量だったりで、大きく金額が変わってきます。
リフォームも、外壁だけではなく、外構、内装などなど、やり始めたら、もの凄い金額になってしまうわけですね。
ただ、空き家のまま売るのであれば、不動産業者を通すのであれば、その報酬だったり、司法書士の登記手数料だったりが必要になってきます。
これらは、そこまで大きく変わらないため、しっかりと調べておくとよいでしょう。
ともあれ、空き家を売るときの費用は一概にも「いくら」とは言えないのが現状です。
◇空き家を手にしたら…利用しないのであれば売るべき?
これまでの話で、正直なところ、空き家を持っておくとリスクが大きいということが理解できたかと思います。
もちろん、それまで住んでいた方の思い出がたくさん詰まっている土地、家なので、無下に売ったり、放置するのは、心が痛むかもしれません。
これも1つの考え方なので、問題ありませんが…思い出はプレイスレスですからね。
ただ、現実問題、金銭的な余裕がなければ、やはり売るのも1つの選択肢と考えます。
昨今、空き家に関しては、国主導で色々と動いている部分もあるため、上手に、そちらも利用していくとよいでしょう。
◇不動産売却を考えたらまずすること

「まずは、査定をしましょう」なんて話も多いですが、最初に行わなければいけないことは、関係する人に相談をしておくことです。
たまにあるのが、販売をし始めてみたものの、親族の方から販売を止められたといったケースです。
買い手が見つかっていない場合は、大きな問題になりませんが、買い手が見つかり、いざ契約の直前に親族からストップが入ってなんてことになったらトラブルになりかねません。
ですので、意見を聞かなければいけない人がいる場合は、その方たちに相談しておくことが重要です。

その次にやるべきことは、いくら手元に残したいかを検討することです。いくらで売れるのかというのも重要ですが、いくら手元になければいけないのかということを明確にし、そして同時にそのお金がいつまでに必要なのかを明確にする必要があります。
それは「いくら」と「いつまでに」によってとるべき販売方法が変わるからです。
もちろん、実際に査定をしてみて決めた内容が変わる場合もあるかもしれませんが、自分なりの考えをもってのぞむ方がよりスムーズに相談がすすみやすいです。
もちろん、関係する人への相談ができていない状況や自分たちなりの条件がまったく分からないと言う段階で査定の相談をすることがいけないわけではありません。
関係者にどのように相談すれば話がスムーズに進むのか。
そもそも相談すべき人が誰なのかを確認することも含めてプロに相談することも一つです。税制の優遇も含めて分からないことがたくさんあるのが不動産です。
人生に滅多にない不動産の売却という経験。初めての方がほとんどではないでしょうか。
一度査定というわけでもなく、売却に向けた準備の段階からプロに相談してみてもよいでしょう。
相談したからと言って必ず売却しなければいけないわけではないので、よく分からないという方は一度相談してみましょう。

■貸家⇒家を貸すには?

賃貸として貸し出す場合は、どういった手順を踏めばいいのでしょうか?
ザックリいうと、
1.不動産会社を探す
2.賃料を決める
3.不動産会社と契約を結ぶ
4.貸し出し条件を設定する
5.貸し出せる準備をする
6.入居希望者の審査
7.賃貸契約
8.引き渡し
9.大家としての管理
といった流れになります。
また、「貸す」と一口に言ってもいくつか種類があります。
・個人への賃貸契約
・公共施設として
・ルームシェア
サブリース(仲介業者に売り、賃料をもらう方法)
・リロケーション(一定期間だけ貸す方法)
などザッとみてもこれだけあります。
◇賃貸契約で必要なもの
・間取り図
・案内図
・マンションの場合は管理規約と使用細則
・設備関係の書類(一覧や説明書など)
・入居者案内で使う鍵
・本人確認書類
・印鑑

■リフォーム⇒見積もりを行うときの注意点

リフォームの流れとしては、

・希望のリフォームを調べる
・見積もりをしてもらう
・現地を見て見積もり
・契約
・最終打ち合わせ

・工事
・引き渡し

となります。

ここでは、リフォームをする前段階の「見積もり」の部分を詳しく紹介していきます。
業者の良し悪しが必ずあるので、必ず比較してから決定しましょう。
また、見積もりを依頼する場合は希望をしっかり伝えること。
そして必ず希望の写真やカタログなどの資料を準備することをオススメします。
イメージだけでは業者はわかりません。あとは希望像を予算や雰囲気に当てはめて最終着地点を決めるのみです。

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