◆日本の空き家問題が深刻すぎる…
2017年5月現在、日本国内の空き家件数は820万戸以上と言われていて、年々増加傾向にあります。また、数年後には1000万戸を超えるとも言われています。
参考文献:総務省統計局より
具体的な数字として予測されている値は、2033年度に空き家は約2,160万戸と考えられています。空き家率は30%を超えると予想されており、深刻な空き家不足が伺えます。
参考文献:マイナビより
16年後の未来がコレでは、今新築を建てたとしてもどうなるかわかりません。まさに想像の範囲外のことが起きてもおかしくありません。都心部の東京・大阪・横浜・名古屋などではまだ大丈夫かもしれませんが、郊外は明らかに空き家が増えています。地方では昼間でも人通りは少なく、夜は真っ暗で出歩くのも怖い!といった場所は非常に多くあります。若者は都心へどんどん上京していき、地方の過疎化は進むばかり…高齢者が地域を支えなんとかやってきても、数年でいなくなればそれこそ「人のいない街」が出来上がります。(高齢者の方には失礼ですが…)
おや?それだけ住宅が余っているのであれば、安い中古物件がたくさんあるのでは?
はい、あります。ただし、それを不動産業者が率先してやるでしょうか?空き家がたくさんあまっているのに?安い仕事をわざわざすると思いますか?私自身も経験しましたが、地方の不動産会社は安い案件ですとほとんどやってくれません。やる気がないのもにじみ出ています。
◆不動産業界は氷河期時代突入か!?
地方の物件は一見すると安く空き家がたくさんあって、いわば宝の山?!と思われるかもしれませんが、一概にそうは言い切れないかもしれません。
まず、安い物件を不動産業者が率先してやりません。特に地方の不動産業者はそれが顕著に表れます。面倒くささがにじみ出ていて、全く動こうとしないなんてことはザラです。私の場合は購入でしたが、詳細を教えてほしいと相談したところ「後日連絡しますね~」という返答が。それから不動産会社から連絡がかかってくることはありませんでした…。地方の対応はこんな感じが多いです。のんびりしているというか、面倒くさがっているというか…行動の遅さが際立っています。
しかしそれもそのはず、ただ「安いから、やる気が出ない」のです。
売却においても同じことが言えます。安すぎる案件は「はーい、がんばりまーす」と言っておいて資料棚の山積みの書類の上にポンッです。
不動産側からすれば、労力を注いで営業しても売れないし、売れたとしても手数料も安いので、全くやる気が起きない案件なのです。
ここ数年で不動産業界は大きく変わりました。新築であれば売れるといわれていたにも関わらず、買う人自体が減り売れなくなっていっています。住宅に関わる業界の規模の縮小は余儀なくされます。
こんな現状、そして決して明るくない未来のために、35年ローンを組んで住宅を購入する人が増えると思いますか?不動産は非常に厳しい世界になってきています。
◆【余談】不動産業界の生き残りは…
さて、ここからは不動産本体の話ではなく「業界の未来」です。
不動産業を営む人は、不動産業界での生き残りが分かれる岐路に差し掛かっています。
今も既に現れているのですが、東京23区ですら大手不動産会社と社長だけで営んでいる不動産会社しか生き残れない状況です。社長が一人で営業している体制を取っている不動産会社も、以前は営業マンを雇っていたにも関わらず、給料が払えず辞めた結果、社長が一人で所属した形になった会社です。もちろん、物件を手に入れるための銀行融資枠は保持している状態です。
なぜ大手不動産会社と一人社長の不動産会社しか生き残れないかというと、状況が大きく変わっていくからです。
物件の仕入れの際、すでに大手同士が手を組み他に出回らないように先手を打っているからです。
通常であれば、売主が査定を行い、複数社に見積もりをもらい一番良い条件や金額を出してくれた不動産会社と契約します。その際に、納得がいかなければ「○○○万で売ってくれないなら他の業者に頼むよ」と言えるわけです。こういった交渉によって、何とかお客を取りたい不動産会社が「じゃあその金額でがんばります」と契約してもらう流れは、不動産売却の際に一般的な流れです。
しかし、大手同士が手を組んでいることによって、それが出来なくなりつつあるのです。
「○○と○○と○○で見積もりをしてもらっていますが、この金額が限界ですよ。それ以上の価格を希望するようであれば、全社手に負えません」と言われてしまい、その結果、「3社ともこの金額でした。どの会社になさいますか?」と他の道を閉ざされてしまうのです。このような手を使う業者は昔からありふれた手ではあるのですが、大手同士がそうなってしまうと数が桁違いです。それが常識になりつつあるというのは怖い時代になったという感想です。仕入れ値も高いですから、中小の不動産会社は太刀打ちできません。これをやられると中小不動産会社は倒産に追いやられてしまいます。このようにして、不動産業界は大手同士の結束が強くなっていくのです。
中小の不動産会社が生き残る道は、大手が仕入れない物件に手を出すしかなくなってしまいます。
・ほぼ利益が出ない物件(ヘタしたら赤字物件)
・面倒な権利付の物件(底地権・借地県・貸借権)
・仕入れ値が、そ相場より高くなっている物件
・人気のないエリア
これらを買い、ややこしい処理を行ってからようやく普通に売れるようになります。それが売れたら数百万円の利益になりますがれを年間を通して行うと果たして何回出来るでしょうか?
人気のないエリアに関しては、売れるのかすら際どいラインです。売上を作るために必死で買い、必死で売るけれど赤字しか残らない場合も多いでしょう…。
不動産業界は、オリンピックまでがMAX!!それまでは大丈夫と言われていますが、本当にそうでしょうか?一部の大手不動産会社だけではないでしょうか?今後はまた以前のように大手だけしか生き残れない業界になっても、おかしくはないでしょう。
◆まとめ|不動産の在り方について一度考えた方が良いかも
いかがでしたか?
不動産業界の未来、そして不動産の空き家問題…
思った以上に、不動産に関する環境は深刻かもしれません。
家を買う前に一度考えてみましょう。また、少しでも現状を把握しておきましょう。