昔から、不動産はとても価値のあるものでした。しかし、その不敗神話は崩れかけているのが現状です。よく「オリンピックまで不動産の価値は上がり続ける」と聞きますが、その裏にはこんな意味も込められているって知ってましたか!?
そう、「オリンピックが終わったら、不動産の価値は下落する」というニュアンスです。本当のところはどうなのでしょうか?2020年の東京オリンピックを3年後に控え、改めてオリンピックの前後でどういった影響が出るのかを紹介していきます。
不動産の売却を考えている方はお早目に!
◆不動産の価値は下がる一方…
ハッキリ言いますが、今後専用住宅以外の不動産は売れません。もちろん、これまでも地価は下がり続けていました。しかしその間に「ミニバブル」が2度ありました。20年間に2度だけです。
それは、1度目はリーマンショック前の2007年です。金融緩和となり、底値になった日本の不動産を海外の投資家が爆買いしたことで、地価の上昇が起こりました。しかし、翌年のリーマンショックであっという間にはじけました。
次に2度目はアベノミクスの影響を受けた2013年です。その年は2020年の東京オリンピックが決定し、それを受けて海外の投資家が一気に押し寄せました。これがいまも尚現在の景気に繋がっています。金融緩和が起き資金が潤っているので、不動産界隈はなんとか好景気を維持出来ているという状況です。
そう、この時点では「なぜ不動産氷河期が訪れるか?」が一見わからないのです。しかし、長期的に見ると確実に不動産の価値は下がっていきます。そもそもミニバブルの余波が続いているのは三大都市圏だけで、地方では下降を辿る一方です。そして、都市部で価値がある不動産は主に商業地で、住宅地ではありません。これが何を示しているか?もう明確ですね。
2020年に控えた東京オリンピックに向けて、再開発が行われているだけです。おそらくですが、東京オリンピック前後は多くの観光客が日本に来るでしょう。その観光客がたくさんお金を使ってくれることを見込んで開発を行っているわけです。
しかし、この観光客は日本に永住するわけではありませんから、住宅の価値が上がることはありません。大都市を中心に、タワーマンションの地価が上がっていますが、それは海外投資家が購入しているからにすぎません。海外投資家が、東京オリンピックを見込んで買い占めているだけです。オリンピック前後では売却が相次ぐでしょう。
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◆不動産は今後も下がり続ける?
上記の説明でほとんど答えは出ていると思いますが、東京オリンピック前後で物件の売却が相次ぎ、不動産の価値は暴落すると予想されています。物の価値、つまり物価というのは、需要が供給を上回ることで値段が上がります。物件が余っている状態では、価値はほとんどなくなってしまいます。一見すると不動産の価値が上がったように見える東京オリンピック前の裏側にも、海外投資家の存在が大きいです。日本の住宅地の需要は変わっていません。
それもそのはず、日本の人口は2008年以降下がり続けています。これが少子高齢化と結びつくのです。また、今都心部では一戸建てよりもタワーマンションが人気です。東京などは土地が少なく、物価も高いです。少なく高い土地に多くの人が詰め込まれている形になっています。これも郊外の住宅地の需要を下げている一つの要因なのです。
その例と言えるのが、1970年代に多摩地区に出来たニュータウンです。子供がいる家族向けに作ったものの、子供たちの成長につれて都心のマンションに流れると、残された老夫婦は小さめのマンションに移ったり老人ホームなどに移っていき、街全体が空き始めたのです。ニュータウンではなくドーストタウンといわれるほど廃れてしまっています。
これだけはなく、このようなニュータウンからゴーストタウンになった例が日本にはたくさんあります。通勤にも時間がかかる郊外が魅力だと感じる世代が少なくなってきたのです。駅から遠い住宅地の地価は特に下降の一途をたどっています。一方、価値が上がっている場所もあるので、その分かれ道は人の集まるところかどうかにかかってきます。当てはまらなければ、下落するのは目に見えています。
日本の政策が大きく変わらない限り、住宅地の価値は下がっていく一方だと言えます。多くの人が見えていないのが、2020年の東京オリンピック以降です。東京オリンピックも反動となり大きく下落するでしょう。もはや、日本の不動産市場が下降することは変えられない事実なのです。
◆不動産はトランプの『ババ』扱いに…
その結果、最近不動産の売却が相次いでいます。しかし、そう簡単に買い主が見つかるはずもありません。そして、こういわれるようになったのです。不動産を買うときは「ババ(ジョーカー)を引かないように気を付けなければならない」と。少し優しめに言いましたが、結局は「不動産=ババ」というニュアンスです。特に都内の不動産売買の専門家たちが言っているんですから驚きです。持っていたら損しかないババを、誰かに押し付けたいけれど誰も買ってくれない!という焦りも含まれています。
ここ最近で若干の盛り上がりを見せたミニバブルやサブプライムローンも早々に衰退し、ババ抜きが始まりました。このような不良物件が多くなって、2008年以降は新築マンションや新築戸建て物件も投げ売りするような状況になってしまったのです。不動産史があるとすれば、この不動産冷戦時代にピッタリの「ババ抜き大会」は掲載してほしいものです。
◆不動産の売主/買主へ
最後になりますが、こういった不動産市場の衰退を受けて、売主さん/買主さんにそれぞれ売却時/購入時の注意点を紹介します。
◇1円でも高く売りたい!【売主さんへ】
これから、不動産の売却はさらに厳しい状況になると考えられています。売れるうちに売ってしまうというのも手です。また、売るためのコツはいくつかあります。このご時世、なかなか売れないことは痛感していることでしょう。実は、不動産を購入するよりも売却は何倍も大変ですから、相当な覚悟を持って臨んだ方が良いです。
そして、必ず買主さんへの配慮は忘れずにいてください。不動産の売却は、どちらが欠けても成立しません。買ってくれる人がいることに感謝し、丁寧な対応を心がけてください。横柄な態度で「こっちは売ってやってるんだ!」なんて、お角違いです。相手への配慮を忘れず、「買ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを大切にしてください。
他にも、不動産売却のための知識は忘れずに覚えておくようにしてください。早く売るコツ、高値で売るコツなども知っておきましょう。
数ヶ月後、数年後に「売っておいてよかった!」と思える判断を。良いタイミングと良い仲介業者さんを見極め、納得のいく売却を行ってくださいね。
◇ババを引きたくない!【買主さんへ】
続いて、不動産の購入は考えているけれど、絶対に「ババを引きたくない!」と思っている買主さんにお伝えしたいことがあります。
持論ですが、今後不動産は住むためのものになります。そう、金融商品という投資的考えはほとんど持たない方が良いと思っています。専門住宅などのマイホームとしての費用だと考える方が賢明です。儲けたいという気持ちで購入すると、結果的に売れ残り損してしまう例がとても多いです。不動産の購入は「自宅」として考えましょう。
特に、マンションは管理費や修繕費が毎月かかります。それに加えて固定資産税が発生します。「ただ持っているだけだから…」と思いきや、少しずつ家計を圧迫していきます。このような「ババ抜き不動産」には十分注意してください。
◆まとめ|不動産市場の未来は暗い…だからこそ早めの売却を
いかがでしたか?
これが不動産市場の未来です。もはや、日本の景気だけで補える問題ではなくなってきています。2020年の東京オリンピックを持ってしても、回復は見込めません。それどころか、東京オリンピックに向けた地価上昇も、海外投資家の手によるもの。住宅地へは特に影響はありません。日本の都心へとさらに人口は集中し、地方は過疎化が進んでいっています。
これはもはや東京オリンピックに関係なく危ない状況であることがわかります。いまから不動産投資を始めようとしている方や、空き家を所有してしまっている人は、特に注意が必要です。よく吟味した上で決断するようにしてください。