不動産売却には色々な書類が必要になります。
その必要書類の内容は、一戸建ての売却かマンションの売却かによって異なってきます。
ただ、いずれにしろ事前に準備しておくと、売却活動はスムーズに進みます。
今回は、不動産売却に必要な書類について解説します。
1.不動産売却に必要な書類
不動産売却には、以下のような書類が必要になります。
①登記簿謄本
②売買契約書
③重要事項説明書
④測量図・境界確認書
⑤図面や仕様書
⑥固定資産税納税通知書
⑦マンション管理規約
⑧本人確認書類、住民票、印鑑登録証明書
1-1登記簿謄本
登記簿謄本は「登記情報識別書」ともいいます。この書類には、建物の概要(広さや規模など)が記載されているため、売却時には必ず必要な書類になります。
1-2売買契約書、重要事項説明書
この2つの書類に関しては、仲介を依頼した不動産会社が用意してくれます。ただ、売却しようとしている物件の購入時に取得している「売買契約書」と「重要事項説明書」を用意しておいた方がスムーズに取引きできます。重要事項説明書の詳細は後述します。
1-3測量図・境界確認書
特に、一戸建ての際には重要な書類になります。この書類がないと、土地の境界を証明できないため、再度測量などが必要になります。
1-4図面や仕様書
特に図面は、チラシやネットに掲載する際に必要になるので、購入時にもらった図面集などを用意しておきましょう。仮に図面集がなければ、不動産会社に簡易図面を起こしてもらうことになります。
1-5固定資産税納税通知書
固定資産税は毎年1月1日の所有者に対して課税される税金です。毎年5~6月頃に固定資産税の請求書が届きますので、そちらの書類も用意しておきましょう。居住期間によって、固定資産税は清算されます。
1-6マンション管理規約
購入検討者から、「ペットの飼育のルール」や「ゴミ出しのルール」など、細かいルールの質問をされることも多いです。そのため、マンション管理規約集は事前に用意しておきましょう。
1-7本人確認書類、住民票、印鑑登録証明書
これらの書類は、マンションの売買契約時には必要になります。住民票や印鑑証明は、登記に必要な書類になります。ただ、これらの公的書面は「発行から3か月以内」が基本的な有効期間になるので、売買契約が成立するときに取得しましょう。詳しい取得時期は不動産会社に聞いてみると良いです。
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2.重要事項説明書について
重要事項説明書は、不動産売却において最も重要な書類になります。この重要事項説明書の内容は物件によって異なりますが、買主・売主ともに概要は把握しておきましょう。
①基本事項の確認
②物件の基本情報
③法令上の制限
④インフラ関係
⑤その他の制限
⑥権利関係について
⑦契約に関すること
⑧その他
2-1基本事項の確認
まず宅建士の挨拶や、宅建士の資格紹介があります。重要事項説明書は宅建士の資格を有している人しか説明できません。
2-2物件の基本情報
物件の広さや、マンションでいえば「階数」など、基本的な事項の確認です。特に、図面上は壁芯面積、登記上は内法面積と、面積を測定するルールが異なる点に気を付けましょう。
2-3法令上の制限
たとえば、法令上「土地の利用に制限」があったり、「建築に当たっての規制」があったりするときには、法令上の制限に規制内容が記載されます。中古物件は既に建物が建っていますが、増改築などを考えている方に向けて売却するときなどは、特に注意して確認ください。
2-4インフラ関係
インフラ関係は、飲用水や下水が整備されているか、私道などはないかの確認です。特に建物内に「私道」がある場合は注意が必要です。私道とは、公道とは違い「民間人」が所有している道路のことです。そのため、その所有者が私道を規制したり、私道を利用するために「使用料」を徴収したりすることがあります。今、私道負担金がなくても将来的なリスクがある点は伝えるべきですし、買主も理解するべきです。
2-5その他の制限
法令上やインフラ関係以外の制限があれば記載します。
2-6権利関係について
たとえば、借地権であった場合などは、借地料や売却時のルールを記載します。また、管理や修繕のルールについても、この項で説明することが多いです。
2-7契約に関すること
売買契約書と同じような事項が記載されます。たとえば、白紙解約の条件や違約についての内容が記載されるので、良く確認しておきましょう。
2-8その他
その他の確認事項を記載します。
このように、重要事項説明書は、上記8つの項目に分類されます。これらの内容を全て理解しておく必要はありません。ただ、売買契約時に重要事項説明はされますので、当日までにどのような内容の説明をするかは把握しておきましょう。内容を把握しておけば、売買契約日当日もスムーズに手続きがされます。
3.まとめ
このように、不動産の売却時には、色々な書類が関わってきます。不動産のように高額な商品になるほど確認事項が多くなるので、どうしても書類は多くなってしまうのです。これら全てを事前に用意しておく必要はありませんが、どのような書類が必要になるかは把握しておきましょう。