不動産の固定資産税が高くなる3つの理由とは?売却するタイミングはここだ

思い切って新築の一戸建てやマンションを購入したものの、やむを得ない事情で短期間での売却を余儀なくされる場合もありますよね。

そのケースで注意しなければならないのは、「固定資産税が高くなってしまうこと」。

ここでは、固定資産税が高くなってしまう問題を紹介したいと思います。

不動産会社の関係者にとっては当たり前ですが、意外と知らない固定資産税の秘密をご紹介します。売却時に「知っておいてよかった!」と思っていただけると思います。

◆新築マンションを購入した田中さんご夫婦の例

田中さんご夫婦は学生時代からの長い付き合いでした。

地元大阪から、二人で横浜へ上京してきて賃貸マンションに住んでいましたが、結婚を機に家の購入を意識するように。

職場からも近く、交通の便も良い横浜まで電車で数分の位置に丁度良いマンションが空いたとのことで、購入を決意。

しかし、それから2年ほどして夫が大病を患ってしまい、実家の近くに引っ越すことになってしまいました。
念願の自分たちの住まいでしたが、泣く泣く売ることになってしまいました。

早速不動産会社に問い合わせ査定をしてもらうと、人気の高いマンションで売却待ちをしている人までいたそう。
幸いにも、部屋のタイプは人気の3LDKでした。

購入してすぐの売却ということもあり、購入時の価格で売ることが希望でしたが、何とかその通りになったのは不幸中の幸いでしょう。

築年数や間取りなど状況を考慮し、担当の方にお任せすると、2ヵ月間で数組の家族が内覧にきたそうで、その中の1組が、「購入時の価格とほぼ同じ金額」にて売却に至りました。

不動産会社の担当者から、「5年未満で売却出来てよかった。5年を超えると売却が始まります」といわれました。

どういうことでしょうか…?次の項目で詳しくご紹介していきます。

◆固定資産税が上がる3つの理由

住宅を購入すると、固定資産税納付の案内がきます。

固定資産税が払えないとどうなる?対処法は?
固定資産税の仕組み、知ってる?不動産売却するなら知っておこう

実は、「固定資産税が上がった!」と思うタイミングには3つの場面があります。

それぞれ紹介していきます。

① 固定資産税の軽減措置はマンション5年、一戸建て3年で受けられなくなる

新築住宅の固定資産税は、要件を満たしていると一定期間の減額措置を受けられます。

一定の条件とは、下記の1.2を満たしていることです。

  1. 住宅部分が120平方メートルまでの部分
  2. 一戸建て住宅は基本築3年間分
  3. 3階建て以上の耐火・準耐火住宅、もしくは長期優良住宅は5年度分
  4. 長期優良住宅かつ3階以上の耐火・準耐火住宅は7年度分

細かくいうと、項目1.2以外にもあるのですが、一番大きい減額要素が上記となっています。

固定資産税が高くなり払えなくなると、最悪の場合マイホームを手放すことになります。

一戸建ての場合は、基本は築年数が3年を超えると、新築住宅の減額措置を受けられなくなります。
また、減額措置を受けている期間内でも、翌年以降の固定資産税が上がるケースもあります。

固定資産税 都市計画税
税率 1.4% 0.3%
住宅
(※1)
戸建て住宅 3年間 固定資産税額(※3)1/2を減額 減額なし
マンション等(※2) 5年間 固定資産税額(※3)1/2を減額
土地 小規模住宅用地(※4) 評価額×1/6 評価額×1/3
一般住宅用地(※5) 評価額×1/3 評価額×2/3
※1 平成32年3月31日まで新築の場合
※2 3階建て以上の耐火・準耐火建築物
※3 1戸あたり120m2相当分までを限度
※4 住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分
※5 小規模住宅用地以外の住宅用地

固定資産税の計算は難しく、宅地の評価や用途によっても変わります。

② 固定資産税の評価替えの時期である

固定資産税の評価は3年に一回見直されます。

毎年の固定資産の資産価値が変動するように、毎年変更していると大変なので、3年に一度の頻度になっています。

この固定資産税の評価を替えることを「評価替え」といい、評価替えを行う年度のことを「基準年度」と呼びます。
前回の基準年度は平成30年度だったので、つい最近終わったことになります。丁度この年に固定資産税が「高くなった!」や「低くなった!」と思った方は、こういった理由によることだと覚えておきましょう。

③ さまざまな固定資産税の減額制度が終了した

新築住宅の固定資産税の減額以外にも、様々な固定資産税の減額制度があります。

例えば、

・不燃化特区の建物の解体、もしくは新築
・住宅の耐震改修工事に伴う減額
・バリアフリーに伴う減額
・住宅の省エネ性能の向上のための改修工事による減額

こういった様々な制度によって、減額される年数は異なりますが、これらの年度分が終了したことによって、固定資産税が上がったというケースがあります。

その場合は、何年前かに工事を行ったなぁと記憶をたどれば答えが見えてくるはずです。

◆さいごに│固定資産税が高くなる前に売却しよう

固定資産税の計算は複雑です。

また減額措置も細かい計算や複雑な事情があります。

不動産の売却に役立つ【路線価・公示価格・実勢価格】をチェックする

入居時から周りの環境の変化があると固定資産税の増額もある等があります。
もし、大幅な増額があった場合は、一度市区町村の課税課に確認すると良いでしょう。

新築物件を購入する際は、不動産会社の方に近辺の固定資産評価額などを教えてもらえます。
ちょっとした固定資産税に関する知識は持ち合わせておいて損はないでしょう。

固定資産税のために家を売却する、といった最悪の自体にならないように気を付けたいですね。

もし不動産の売却を検討しているのであれば、減額措置がなくなる前に計画を立てておくことをオススメします。

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