空き家を放置している皆さん、シロアリ被害について考えたことはありますか?
「家は財産だ!」と言っても、放置していると粗大ごみ化してしまいます。粗大ごみ化したボロ家は持ち主の責任で解体処分をしなくてはいけません。また火災や事故が起こった場合、責任を取らなければならなくなります。
古い家といえども生き物同然です。必ずメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠った家は死に絶えてしまうというのも過言ではありません。
こちらの記事では、空き家にしたことでシロアリ被害にあってしまった実際の方の写真を基に、シロアリの危険性を紹介していきます。
(シロアリの写真はございません。安心して読み進めてください。)
◆雨ざらしの古い家はシロアリがいるかも!
意外に思われるかもしれませんが、クロアリとシロアリは生物として異なる系統です。
クロアリはハチ科、シロアリはゴキブリ科に属しています。つまり、生物としてクロアリとシロアリでは全く異なり駆除剤も違うため、駆除するのが難しいのです。
古い家を雨ざらしにしておくと大変なことになります。一番怖いのは、駆除しにくいシロアリ被害なのです。
「ここは都会だし、我が家は大丈夫」と思っていませんか?
シロアリはどんな都会でも全国各地に生息しています。
シロアリが好きなものは、ジメジメした木材です。雨に濡れてそのままの木材はシロアリの良い住処になってしまいます。主に6月~7月に行動が活発になるシロアリは湿気を好み、湿気で柔らかくなった木材が大好物です。時には、木製品も食い荒らします。
シロアリにも習性があり種類によって様々な住み分けをしていて、日本に生息するシロアリには主に3種類あります。
主なものはヤマトシロアリとイエシロアリです。もう一つは外来種のアメリカカンザシシロアリです。
◇ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは 比較的寒さに強く、北海道から九州まで日本中のどこにでも生息します。湿った場所を好み台所や浴室などの近くに巣を構え、増殖していきます。
地面の下から侵入し、柱の土台などを食い荒らします。時には畳や本、段ボールなどを食い荒らすことで知られています。湿気を好むので家の下の方に被害が集中します。
足先と背中の一部を除いて黒い色をしています。4月から5月にかけて昼間に飛郡します。
これはシロアリ被害で食い荒らされた畳です。小さい体からは想像もつかないほどの被害状況なのが見てとれます。
◇イエシロアリ
イエシロアリは、寒さに弱いので比較的温暖な地域で飛躍的な速さで増殖します。女王蟻を中心に地中にコロニーをつくり、乾燥したところでも蟻道を作り活動範囲を拡大していきます。蟻道を見つけた時は、かなり被害が進んでいるとみて間違いありません。被害は建物全体におよび甚大に被害を出します。最も危険種です。
イエシロアリの姿はヤマトシロアリより大きく茶色いのが特徴です。
6月から7月の夕方から夜間に飛郡します。
こちらの写真は、壁の部分まで荒らされています。
◇アメリカカンザシシロアリ
その他に、アメリカカンザシシロアリが発見されています。全国でも発見例が相次いでいる外来種です。主に乾いた木材に住み家全体を食い荒らします。
ヤマトシロアリの2倍の大きさで旺盛な繁殖力があります。
7月から8月に飛郡し、建物に甚大な被害をもたらします。
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◆シロアリの女王アリは脅威の繁殖力
羽アリを発見した場合、羽アリが死んだからと言って安心してはいけません。羽アリで飛び回るのはほんの一部で、その周辺には多くのシロアリが生息する巣があるということです。
羽アリは、羽を落として地面を歩き回り、雌雄カップルを作ります。そして新たな女王が誕生します。そして、羽アリになった多くのオスは繁殖を終えると死んでしまい、新たな女王アリは新しい巣をつくって拡大していくのです。
その女王アリの繁殖力は非常にすさまじく、日本の代表的なシロアリのヤマトシロアリは1日に25個の卵を産みます。
また一般的な生き物は一度産卵すると次の産卵までに時間がかかるのに対し、シロアリの女王は待機期間を要しません。つまり、毎日25個の卵を産み続け、次々とシロアリが増殖してしまうのです。このような驚異的な繁殖力で、短期間のうちに家の中で爆発的に数が増殖してしまい、住宅の木材を食べていってしまいます。
ちなみに、国際的に見ると日本のシロアリの繁殖力はまだ控えめなほうで、熱帯地方に生息しているシロアリは、なんと1日5万個もの卵を毎日産卵します。現在は日本に上陸していないですが、万が一上陸してしまうと今まで以上にシロアリの被害は増大していくでしょう。
また、コンクリート造りだからといって安心はできません。
シロアリはわずかな隙間からでも侵入し、見えないところで柱や梁を食い荒らしていきます。シロアリは目が見えませんので、ほとんど暗いジメジメしたところで人目につかない間に繁殖を繰り返します。
◆シロアリは空き家が大好き
シロアリは人のいないところで活動しますので、ほとんど気配を感じることはありません。
ドアが開かなくなったとか、障子がかみ合わなくなったとか、土台の歪みでやっと人が気づくことになります。
住んでいれば羽蟻などの存在に気づき対策もできますが、空き家の場合は深刻です。
雨戸を締め切ったまま薄暗くしている空き家が多いので、シロアリの格好の住処と化してしまいます。
いったんシロアリに気に入られてシロアリが入り込んだら、柱など土台を食い荒らすので家自体が使い物にならなくなります。そしてそれを放置していると、建物全体にまでおよびます。そうなると資産価値は0円以下です。
もう解体するしかなくなります。
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◆シロアリ被害の家は売却が難しい
もし白蟻被害が出た場合、家の売却はとてつもなく困難になります。誰がシロアリ被害の家を買うでしょうか?土地値以下ということもよくある話です。
家の片づけ費用プラス解体費用まで請け負って買ってくれる人を探すのは至難の業なのです。
更地渡しにする場合は、売主が解体費用を持たないといけません。
まだまだ家を解体するのは忍びないと家を壊さずに残したい場合、シロアリ被害の家をリフォームする場合は通常のリフォームよりも費用がかさみます。土台のところをやり直すしかないからです。まだ表面的には綺麗な部分の解体を余儀なくされます。はっきり言って建て替えた方がまだましだと思われる方もいるようです。
そうなる前に家をしっかりチェックしながらメンテナンスを怠らないようにするしかありません。
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◆まとめ│空き家の資産価値を査定しよう
一番危険なのは、空き家のまま放置することです。
家を所有しているのなら、風通しと日光を取り入れるのは家のためでもあり、持ち主のためでもあります。周囲の雑草取りをし土地がジャングル化しないためにも、月に1~2度の草刈りと家の手入れは欠かせません。
シロアリは何処にでもいますので、防蟻処理をしていない限り知らない間に必ずと言って侵入してきます。
もし、空き家をお持ちで定期的なメンテナンスができないようなら、シロアリ被害に遭っていないうちに、そして、まだ資産価値が高いうちに売却をおすすめいたします。
家の価値は、年月が経つ程毎年下がってきます。まして放置した家の資産価値は、もう資産といえない粗大ごみ扱いになってしまいます。空き家は今の時代、資産とは程遠い、特大の粗大ごみと言ってもいいかもしれません。今や粗大ごみ処分にも所有者の莫大な費用を必要とする時代になりました。
十分なメンテナンスが出来ていない空き家の売却は、不動産一括査定サイトで査定してみましょう。