不動産はかつて「変わることのない資産」=(不動の資産)として財産と言われていました。
それがなにやら変わろうとしているのをご存じでしょうか?
今回は、不動だといわれていた不動産がいまどういった状態なのかを知ると共に、売る以外の方法について模索していきたいと思います。
筆者の私自身、数々の不動産(や土地)を所有しており、この事態をどう乗り越えていこうか考えているところです。
模索しながら、自分の中で結論を出していきたいと思いますので、不動産でお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
◆不動産がいま危ない!といわれる3つの理由
みなさんは、「不動産バブル崩壊説」をご存じでしょうか?
実は、不動産業界はいま非常に危ないといわれています。その理由の大きな枠でいえば、不動産に価値が無くなりつつあるからということです。
また、不動産を所有しているだけで毎年固定資産税もかかりますし、マンションに至っては管理費や修繕積立費なども無条件でかかるので、下手に手を出すと大赤字、まさに”負”動産になってしまいます。そういった事態によって不動産の「ババ抜き化」は界隈では有名な話です。
そういわれる所以として、3つの柱となっている出来事がありますので、そちらから紹介していくことにしましょう。
◇理由その① 空き家問題が想像以上に深刻
理由の一つとして、「空き家問題」が挙げられます。
日本の土地の2割が所有者不明のゴーストランドになっていることや、都心部に人口が集中しているため地方は過疎化し空き家が大量に出てしまっていることなど、様々な要因があり不動産の価値は以前のようには高くないのが現状です。また、一時期流行った「サラリーマン大家」なども助長して、ローンを組んで手にしたものの誰も借りてくれず手放す人が続出しているのです。
原因は一つではありませんが、空き家が溢れているのは事実。空き家の問題点は劣化や地域の犯罪などにも意図せず関係してしまうことです。家に人が住んでいないだけで劣化速度は急速に上がります。犯罪者の潜伏や不審火など予期せぬ事態を招きかねないのです。
空き家問題は、「空き家バンク」や「民泊」を利用したり、所有者不明の土地は法律の改正など根本的な解決が求められます。また、一人ひとりの意識の改善なども同時に行っていかなくてはなりません。まだまだ問題の根は深そうです。
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◇理由その② 不動産バブルが崩壊
都内の高級マンションなどを買い占めている海外の富裕層が、東京オリンピック前後で一斉に手放すことによって、東京の地価が暴落するとの予想がされています。また、最近になって豊洲移転問題がようやく進み始めたものの、カジノについての進捗はないまま…問題が山積みになった状態であることに変わりはありません。
今は世の中が不景気でマイナス金利という中、東京オリンピック前に景気が良くなり始めると金利は一気に上がります。それによってさらに不動産は売れなくなるといわれているのです。また、団塊世代が定年の時期を迎えると家を売りに出す人が増えることも懸念されています。
これらは「不動産バブルが崩壊する」ことが前提での予想で、その時になってみないとわからない点もありますが、この予想が濃厚だといわれています。そしてこの通りになれば、不動産市場は下落していきます。
【不動産バブル崩壊特集】
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◇理由その③ 「持ち家」ではなく「賃貸」が主流に
私自身がマンションは賃貸で十分と考えています。戸建ての物件ならまだしも、マンションは「購入」するものではなく「賃貸」がオススメです。それには3つの理由があります。
一つ目はマンションの価値は基本的に建物のみである点です。マンションは戸建てとは区分が違うため、土地30%:建物70%が主流です。タワーマンションなどは建物の割合は90%ほどです。不動産において、時とともに劣化する建物に基本的に価値はありません。しかし、戸建てなどは建物分の土地があるため、なんとかマイナスにならずに済むという考えです。マンションの価値はほとんどが建物にいってしまうため、時間とともに価値が下がっていくのは目に見えています。
二つ目に、区分所有のため思い通りにいかない管理組合など、面倒事が多いという点です。戸建ては建物と土地の所有者が同じことが多く、自分のタイミングで工事や売却が可能ですが、マンションは区分所有なので融通が効かないことがあります。最初は気を使い合って過ごしていた住人同士ても、時間の経過につれて意見の衝突や価値観の違いにぶつかることも多いです。「自分の資産」だと思っていたのに、思い通りにいかないという不満はマンションの方が多いでしょう。また、大規模な災害が起きたとすると復旧が困難に陥るのはマンションであることが実証済みです。
最後に三つ目には、これからの動きが関係しています。今までは賃貸のマンションはあまり質が良くないといわれていました。単身用であったり、一人暮らし用であったり、マンションは一人や二人用がメインだといわれていました。そのため、家族向けのマンションは分譲マンションであることが多かったのです。しかし、REITやファンドの影響もあり賃貸マンションが多く出回るようになっていくことが予想されているのです。マンションはどうしてもライフステージに合わせることが出来ないため、今までよりも「賃貸」を選ぶ人が増えていくでしょう。
このように、不動産の在り方は変わっていっています。家賃がもったいないから「持ち家」の方が良い、しかしマンションを購入するということは、道を狭めてしまうことであり、その呪縛から一生離れられないことを意味する…そういった葛藤が出てくる時期なのです。
私個人の考えでは、マンションは「賃貸」、戸建ては「購入」が有利だと思っています。
◆最も良いのは売却して”負”動産を背負わないこと
これらを踏まえて、一番良い選択は不動産を売ることです。
しかし、これだけ自体は深刻化しているので、よほど良い物件や条件でないとそう簡単に売れないことが予想されます。(あるいは極端に値段を下げることになりかねません。)
また、「いざとなったら売却すればいいや」と後回しにしていると手遅れになってしまうかもしれません。
そこで、売却すること以外の選択肢を知り、安心して不動産を所有できる環境づくりをすることを勧めています。他の選択肢を知ることで、不動産の様々な可能性や活用方法を模索していってください。
◆負動産「売却」、以外の方法
ただ売却するだけでなく、変わった形で売却する方法や、全く別の形に活用する方法を中心に紹介していきます。
大きく分けると
・売る
・貸す
・活用する
となります。
ぜひ参考にしてみてください。
◇① 「オーナーチェンジ」で売却する
「オーナーチェンジ」をご存じですか?それは、物件を借りている人がいる状態で、所有者(オーナー)だけ変わる(チェンジ)ことを言います。
つまり、買う側としては空室となる心配を減らすことが出来るので大きなメリットがあります。
ただ売却するだけではなく、相手にははじめからメリットが用意されているので、通常よりは売れやすいことが予想されます。ただし、手放す理由などによっては警戒されてしまうかもしれません。また、居住用のお客さんを除外しなければならず、初めから投資用・オーナーチェンジで探している買主を探すのは多少困難なことではあります。
◇② 「空き家バンク」に登録して売却する
空き家を無くすための手段として、売主と買主を繋ぎ合わせる「空き家バンク」は、貸すことも売ることもできるので利用者の強い味方です。各自治体が運営しているので、安心して利用できます。
◇③ 賃貸する
賃貸として活用する方法です。売るか貸すか迷う人は多くいます。決心がいかないほど迷ったら、同時進行も可能なので一度不動産業者に相談してみると良いでしょう。出来れば「売却」か「賃貸」か選んでおいた方が良いですが、「貸せるなら貸したい」という場合はまず賃貸として募集してみるのも良いでしょう。人が借りた際は、オーナーチェンジとして売ることも出来るので、可能性が広がるのは賃貸の方でしょう。
・貸す?売る?不動産を賃貸で一時的に貸すのを迷ったら抑えておくポイント
◇④ 倉庫として貸す
倉庫は一定数の需要があります。1Kや1DKなどの多少狭い物件や、利便性が良くない場所などは倉庫として再利用することもできます。
倉庫なので賃料は安くなってしまいますが、コンテナ型の倉庫を借りるよりは安い値段に設定しておくと、「もしものときに住めて、普段は倉庫として荷物をおいておく」といった使い方もあります。それは倉庫を探している人にとってはアピールポイントになります。「ただの倉庫ではないし安い」という+αとなり目につきます。毎月、少額でもお金になるので、売却せずにそのまま所有して選択肢となります。
◇⑤ 「憩いの場」に活用
誰も使わないよりは、いろんな人に使ってもらうというもので、あくまでも一例です。市区町村が運営している自治体によっては、検討してくれるところもあるかもしれません。
ものは試しというわけです。
◇⑥ 「民泊」として活用
最近流行りの「民泊」。旅館・宿泊業からの反対もあり難航はしているものの、東京オリンピックに向けて着々と準備が進められています。
このままでは空き家になってしまう…という場合は、民泊という選択肢も入れておいても良いかもしれません。
・空き家を売却せずに民泊として活用する?「民泊問題」を徹底解説
以上、これらが「売却以外の不動産の未来予想図」でした。
不動産の先行きが危ぶまれますが、私個人としては「アイディア次第」だと思っています。
日本全体が不景気で、東京オリンピックがきっかけで活気づき、終わるとバブルが崩壊したような状態に戻るため、「バブルの再来は間違いない」とされています。
しかし、とはいっても景気が良いときもあれば不景気なときもあります。不動産を所有している方は、そういった状況を乗り越えしっかりと時代の先読みが出来るようになるのが理想的です。どうしたらよいか、上記の選択肢を踏まえながら考えてみてください。