生涯未婚率が高くなっているのをご存じでしょうか?
「結婚に夢を持てない」
「結婚してくれる人がいない」
「するメリットが見つからない」
など、理由は様々ですが、この未婚率が今後も続くとどうなるでしょうか…?
日本全体でいうと少子化・日本経済の縮小など繋がっています。個人単位でいえば、自分の最後を看取ってくれる人がいなくなるかもしれません。
今回考えていただきたいのは、
・独り身が所有する不動産はどうすれば良いの?
・自分が入るお墓って決めておいた方が良いの?(+筆者の主張)
の2点です。
「そうすれば良いのか~」「そういう考えもあるのか~」と温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
これは、いつか来るであろう死と向き合うための一種の「終活」です。
◆身内(法定相続人)がいない不動産はどうなる?
法律上、遺産を相続すべき人のことを法定相続人と呼びます。主に個人(被相続人)からみて配偶者・子供・孫・親・祖父母・兄弟姉妹(死亡している場合は甥・姪)を指し、遺産を相続できる権限があります。
しかし、最近では生涯未婚率も高くなっていて、50歳で一度も結婚したことのない人の割合(生涯未婚率)は男性が20.1%、女性が10.6%(国立社会保障・人口問題研究所調べ、2010年時点)となっており、2035年には男性29%、女性19.2%に上がるといわれています。
今は男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚者という厳しい時代です。となると、本来自分の遺産を相続してくれる法定相続人も少なくなるというわけですから、全くいないとなると様々な心配がよぎりますね。そんな、身内(法定相続人)がいない場合の流れは下記のようになります。
1.「相続財産管理人」を選定し、相続債権者を探す
2.全くいなければ国庫に帰属
「相続人不存在」は、相続人全員が相続放をしたり、相続欠格・推定相続人の排除を受け相続資格を失っているなども場合も含みます。そういった事情により相続人がいないときは、まず家庭裁判所から「相続財産管理人」が選定されます。相続財産管理人とは、故人の財産を管理する者として、地域の弁護士が選定されることが多いです。この弁護士(相続財産管理人)が、相続債権者を精一杯探します。そして、一定期間内に相続人が表れなければ、財産は国庫に帰属されます。つまり、誰も相続人のいない財産は最終的に国庫が所有することになるというわけです。
もしも、相続してほしい人がいるのであれば「遺書」を書いておいたり、先に処分してしまう方法もあります。自分が死ぬ前に不動産のために出来ることは、下記の3つに絞られるでしょう。
1.タダ同然の価格で売却
2.自治体へ寄付する
3.遺書を書いて相続してもらう
⇒新常識!いらない土地は国や自治体に売却・寄付できるって本当なの?
◆独身者のお墓問題
では、次に「独身者のお墓はどうすれば良いか?」についても軽く触れていきたいと思います。
生涯独身で実家のお墓に入るという場合は、心配事は少ないです。しかし個人で契約を行い一人墓になる場合は永代供養になるため70~80万円ほどかかります。四十九日・一周忌の法事を前払いでお願いしておかなくてはなりません。また、永代供養は期間を決めているため、年数が経ったら定期的にお墓の整理がされます。多くの霊園は三十三回忌までとしており、その次は五十五回忌としています。そこまで経てば故人を知る人は限りなく少なくなっているでしょう。故人自身も新しい命に生まれ変わっているかもしれません。
このように、一人墓は「永代供養」されていて、しっかりと管理されます。
一人でお墓に入りたくないという方は「合祀墓(ごうしぼ)」という方法もあります。全く知らない人と同じお墓に入ることにはなりますが、費用は抑えられ10~30万円程度です。一時期ブームになった「墓友」はこの方法によるものです。
◆お墓の多様化
上記の方法がスタンダードです。一般的に都内でお墓を建てるには、平均およそ206万円必要だといわれています。しかし近年では、家族形態や環境の変化によりお墓も多様化してきています。
例えば、期間限定でお墓を貸し出すレンタルスタイル。転勤が多い人や将来故郷に帰る予定の人に利用されています。
他には、墓石ではなく樹木の周りに埋葬する「樹木葬」。これは、骨壺ではなく布の袋に入れることで土に還れるよう工夫されており、「自然に抱かれて眠りたい」という人に人気のプランです。樹木葬にはペットと一緒に眠りたいという人に向けたものもあります。さらに、「女性専用墓地」も注目されています。その理由が、「結婚していても、旦那やその家族と同じお墓には入りたくない」という人が増えているからという悲しい理由…
お墓という形態と取らない海に巻くスタイルや、風船につけて飛ばすもの、宇宙に打ち上げてしまうものまで、幅広くあります。一時期ニュースに取り上げられたことで話題になりました。
いずれにしても、これらは許可が必要です。どこでも散骨していいわけではありません。場所も決められていて、費用もかかります。上記のお墓という形態をとらない散骨スタイルは無縁仏となります。例えば、海の散骨は12万円~、樹木葬は30万円~、空からの散骨は20万円~とリーズナブルです。
個人の意見が通る時代です。お墓一つとっても十人十色の意見がありサービスがあります。
最後も自分のやりたいようなお墓のスタイルを考えておくのも良いのではないでしょうか。
◆「お墓はいらない」(筆者論)
さて、最後になりますが、あなたはお墓についてどうお考えでしょうか?
「いずれ決めなければならないもの」
「先祖代々のお墓があるからそこに入らなければ」
と考えている方も多いと思います。
私は、「お墓は必要ない」と思っています。
「私のお墓の前で泣かないでください~そこに私はいません~眠ってなんかいません~」
という歌がありますが、まさにその通りだと思います。
故人はそこにはいません。心の中に生き続けていればよいと思います。
そして私自身、お墓に入りたくありません。出来れば「散骨」にしてほしいと思います。
様々な意見があると思いますが、選べる時代だからこそ、いろんな情報を取捨選択し納得のいく結論を出してくださいね。